危険な頭痛って…
危険な頭痛って、私は外来で患者さんによく言いますが、実際にどのような頭痛かよくわからない方も多いと思います。
一言でいうと、「いままで感じたことがないような突然の激しい強い頭痛」と言います。
一般的には専門用語で「雷鳴様頭痛」と言いますが、皆さん、雷⚡に打たれたことあります?
ほとんどの方はないと思うんです。
あと、「バットで殴られたような」とも言いますが、皆さん、バットで殴られたことあります?
もしかしたらバットで殴られた人の方が多いのかもしれませんが、もしそのような人がいたら、即刻110番してくださいね。
さて、雷に打たれたり、バットで殴られたりするくらいの突然の激しい頭痛ということになるんですが、
では、この「突然の」とは一体時間的にはどういう感じかというと、
「1分以内に頭痛のピークに達する」というのが一応定義となっています。
突然の激しい頭痛の代表格の疾患が、「くも膜下出血」です。
ざっくりいうと、1/3の方が死亡 1/3の方が後遺症ありで生存 1/3の方が社会復帰となります。
言い換えれば、2/3人が亡くなるか、後遺症を負う怖い病気ということが分かりますね。
なので、もちろん、残念ながら即死される方もいらっしゃいますが、早急な医療介入にて一命をとりとめているのも事実ですので、
突然の激しい頭痛には皆さん注意です。
(もちろん、クモ膜下出血以外にも雷鳴用頭痛の疾患で「可逆性脳血管攣縮症候群」というものがありますが、それはまた別の機会に。)
クモ膜下出血の突然の激しい頭痛は、意識障害伴うものはもちろんですが、意識障害をもなわないものでも、「思わず目を閉じてしまうような頭痛」は要注意です。
頭蓋内圧亢進や出血による髄膜刺激症状に伴う頭痛のメカニズムは、頭蓋底から頭蓋内へ走行している内頚動脈やその周囲の硬膜に分布する神経が痛みとして察知する訳ですが、
ちょうどそれは、咽頭が冷やされて上咽頭の奥の血管が収縮して生じる痛みと似ているかもしれません。
そう、「かき氷を食べたときの頭痛」に似ていることになります。
皆さん突然頭が痛くなって目を閉じますよね?
それの、めちゃ強い感じです。
というわけで、日ごろ診療していて、個人的には、目を閉じている頭痛患者さんの中には「命に関わるかもしれない頭痛疾患」が隠れているかもしれないとアンテナを張るわけです。
当院では訪問診療はもちろん、月曜午後と土曜日終日は外来診療を行っています。
私をはじめとした頭痛専門医の認定を受けた医師が診察を担当します。
WEB予約も可能ですので、ぜひお気軽にご受診ください。