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片頭痛治療の新しい選択肢「ナルティーク」

このページを書いた人:院長 西山 淳

  • 日本脳神経外科学会認定 脳神経外科専門医・指導医
  • 日本脳卒中学会認定 脳卒中専門医・指導医
  • 日本がん治療認定機構認定 がん治療認定医
  • 日本認知症学会認定 認知症専門医・指導医
  • 日本神経内視鏡学会認定 技術認定医
  • 日本脳神経外傷学会認定医 神経外傷専門医・指導医・評議員
  • 日本頭痛学会認定 頭痛専門医・指導医・代議員
  • 日本医師会認定 産業医

 

片頭痛は、単なる「頭の痛み」ではありません。

【海老名・座間・綾瀬・厚木エリアで片頭痛にお悩みの方へ】

仕事や家事、育児、人との約束―

日常のあらゆる場面に影響を及ぼし、生活の質を大きく下げてしまう病気です。

「我慢すれば何とかなる」
「そのうち良くなるはず」

そう思いながら、つらさを抱え込んでいませんか。

片頭痛の治療は、ここ数年で大きく進歩しています。

症状の頻度や生活への影響に応じて、治療の選択肢を見直すことができる時代になっています。

 

片頭痛の治療は、ひとつの方法だけではありません

片頭痛は、「発作が起きたときだけつらい病気」ではありません。

頭痛そのものだけでなく、「仕事や家事の予定が立てづらい」「発作への不安が常につきまとう」など、日常生活に影響を与えることも少なくありません。

近年、こうした片頭痛の治療は大きく進歩しており、治療の考え方や選択肢も少しずつ広がっています。

その中で登場したのが、ナルティークOD錠75mg(一般名:リメゲパント硫酸塩水和物)です。

ナルティークは、日本で初めて片頭痛の「急性期治療」と「発症抑制」の両方に使える経口薬として、2025年12月16日に発売されました。

海外ではすでに承認・使用実績があり、日本でも新たな治療の選択肢として位置づけられています。

 

ナルティークはどんな薬ですか?

片頭痛発作が起こるとき、体の中では CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド) という物質が増え、痛みの信号が強く伝わることが分かっています。

ナルティークは、このCGRPの働きを抑えることで、痛みの信号が過剰に伝わるのを和らげると考えられている薬です。

これまでの片頭痛治療薬の中には、血管を収縮させる作用を主とするものもありましたが、ナルティークは血管を直接収縮させる作用を主としない点が特徴です。

そのため、これまでの治療で「効き方が合わなかった」「副作用が気になった」といった場合の別の選択肢として検討されることもあります。

 

ナルティークでできること

ナルティークには、次の2つの使い方があります。

  • 片頭痛発作が起きたときの 急性期治療
  • 片頭痛発作の回数を減らす 発症抑制(予防)

これまでの治療では、「発作時の薬」と「予防の薬」を別々に考えることが一般的でした。

ナルティークは、片頭痛の仕組みに関わるCGRPを抑えることで、発作時のつらさを軽くすることと発作そのものを減らすこと、この両方に関わる治療薬として位置づけられています。

注射薬という選択肢もあります

  • ガルカネズマブ(エムガルティ)
  • フレマネズマブ(アジョビ)
  • エレヌマブ(アイモビーグ)

これらは月1回〜3か月に1回の注射で治療を行う方法で、内服薬とは異なる特徴があります。

▶︎ CGRP関連注射薬について

治療の選択肢はひとつではありません。

症状の頻度や生活スタイル、通院のしやすさなどを踏まえて、ご自身に合った方法を一緒に考えていくことが大切です。

 

これまでよく使われてきたトリプタンとの違い

片頭痛の急性期治療では、長年にわたりトリプタン製剤が中心的な役割を担ってきました。

多くの方に効果がある一方で、「効くけれど使いにくい」「副作用が気になる」と感じている方がいるのも事実です。

トリプタンは、血管に作用する薬

トリプタン製剤は、拡張した脳の血管を収縮させることで片頭痛の痛みを和らげます。

即効性が期待できる反面、血管を収縮させる作用があるため、以下の場合には使用が制限されることがあります。

  • 心臓や血管の病気がある
  • 動悸や胸の違和感が出やすい

ナルティークは、痛みの信号に着目した薬

ナルティークは、痛みを引き起こす信号そのものを弱めるという考え方の薬です。

そのため、以下のような場合に医師の判断のもとで治療の選択肢として検討されることがあります。

  • トリプタンで十分な効果を感じられなかった
  • 副作用がつらかった
  • トリプタンが使いにくい持病がある

大切なのは「合っているかどうか」

どちらが優れている、という話ではありません。

片頭痛の治療では、症状の出方や生活背景に合っているかが何より重要です。

 

ナルティークは、どんな方に検討されますか?

ナルティークは、「誰でも気軽に使う薬」ではありません。

医師が診察を行い、片頭痛の診断や症状の経過を確認したうえで、適しているかどうかを判断します。

急性期治療として使う場合

  • 片頭痛と診断されている
  • 発作時のつらさが生活に影響している

上記のような場合に検討されます。

初めての頭痛や、いつもと違う症状がある場合には、他の病気が隠れていないかを確認するため、必要に応じて検査を行います。

発症抑制(予防)として使う場合

  • 片頭痛発作が月に複数回起きている
  • 慢性片頭痛と診断されている

上記のような症状に対する治療の選択肢として検討されます。

 

飲み方と治療の考え方

ナルティークは、使う目的によって飲み方が異なります。

急性期治療

片頭痛発作が起きたときに、1回1錠(75mg) を服用します。

発症抑制(予防)

発作を減らす目的で使う場合は、75mgを隔日で服用します。

注意点

  • 1日に飲める量は 1錠まで
  • 自己判断で飲み方を変えない
  • 水なしで服用できるOD錠ですが、服用方法は医師の指示に従う

また、新しい薬のため、発売から約1年間は 1回の処方が14日分までと決められています。

 

費用について(保険診療)

ナルティークは保険適用のお薬です。

薬価

1錠あたり 2,923.20円(2025年11月時点)

自己負担の目安(薬剤費のみ)

  • 3割負担:1錠 約870円前後
  • 2割負担:1錠 約580円前後
  • 1割負担:1錠 約290円前後

月あたりの費用イメージ

  • 発作時のみ使用 → 発作回数に応じた費用
  • 発症抑制(隔日服用) → 月約15錠

3割負担の場合、月あたりの薬剤費は 約13,000円前後 が目安となります。

なお、片頭痛の発症抑制治療として使用されるCGRP関連の注射薬(エムガルティ・アジョビ・アイモビーグ)も、月あたりの自己負担額は同程度の費用帯になることが多いとされています。

 

効果の評価と治療の見直し

ナルティークを使っても、効果を十分に感じられない場合もあります。

その場合は、「合わなかった」と判断し、治療を見直すことが大切です。

発症抑制目的で使用する場合は、おおよそ3か月を目安に、発作の頻度や生活への影響を確認しながら評価します。

 

使用に注意が必要な方・副作用について

  • 本剤の成分にアレルギーがある方
  • 腎臓や肝臓の病気がある方
  • 妊娠中・授乳中の方

これらに該当する場合は、使用の可否を慎重に判断します。

また、吐き気・便秘・発疹などの副作用が報告されています。

体調に変化を感じた場合は、服用を中止しご連絡ください。

 

診療の流れ|片頭痛の診断から治療まで

STEP1. 予約(WEBまたはお電話)

WEBまたはお電話でご予約いただけます。予約なしの当日受診も可能です。

混雑状況によってはお待ちいただく場合がございますので、予めご了承ください。

月曜午後・水金午前・土曜日終日は、日本頭痛学会認定の頭痛専門医が外来診療を担当しております。

 
9:00~13:00
14:00~18:00
※外来休診日:木日祝
※最終受付時間について
 –初診:診察終了1時間前まで
 –再診:診察終了30分前まで


 

STEP2. 受付・問診票の記入

院内感染対策のため、ご来院時にはマスクのご着用をお願いしております。(1枚50円での販売あり)

 診療へのスムーズなご案内のため、事前問診にご協力ください。

WEB問診はこちらから

▶ 紙問診のダウンロードはこちらから

 

STEP3. 問診

症状の発生頻度、痛みの強さ、発作の持続時間、誘因となる要素(トリガー)について詳しく伺います。

家族歴や日常生活の状況も確認します。

 

STEP4. 検査

 

必要に応じて、片頭痛以外の原因がないかを確認します。

命にかかわる病気でないことを確認することが何より大切です。

  • 画像検査(MRIやCT検査):脳内の異常を確認します。
  • 血液検査:炎症反応(CRPなど)、感染症、自己免疫疾患、代謝異常などを確認します。
  • 神経学的検査:手足のしびれ・麻痺・視力障害・言語障害などの有無をチェックし、脳や神経の異常がないかを確認します。

 

当院のCT検査について

※必要に応じて、系列のえびな脳神経クリニック(海老名駅徒歩1分)でのMRI撮影も可能です。

 

STEP5. 診断・治療方針の提案

国際頭痛分類第3版(ICHD-3)の診断基準に基づいて片頭痛であるかを判断し、ナルティーク・注射薬・その他の内服薬・生活指導等の治療方針のご提案を行います。

国際頭痛分類第3版(ICHD-3)の診断基準

国際頭痛分類第3版(ICHD-3)の診断基準に基づく片頭痛の診断は、片頭痛のタイプによって異なります。

以下にそれぞれの具体的な診断基準を示します。

 

前兆を伴わない片頭痛(ICHD-3のコード 1.1)

診断基準

  1. 少なくとも5回の頭痛発作が以下の基準を満たす

  2. 発作が治療されない場合、4時間から72時間続く

  3.  頭痛は以下のうち少なくとも2つの特徴を持つ

    ・片側性
    (頭の片側に限定される)

    ・拍動性
    (ズキズキと脈打つような痛み)

    ・中等度から重度の強さ
    (通常の活動が困難になる)

    ・日常的な身体活動で悪化
    (歩行や階段の昇降で痛みが増す)

  4. 頭痛中に以下の少なくとも1つを伴う

    ・吐き気または嘔吐

    ・光過敏または音過敏

  5. 他の疾患による説明ができない(画像検査などで二次性頭痛が否定されている)

 

前兆を伴う片頭痛(ICHD-3のコード 1.2)

診断基準

  1. 少なくとも2回の発作が以下の基準を満たす

  2. 前兆が以下の特徴を持つ
    一時的で完全に可逆的な以下のいずれか、または複数の症状がある

    症状の種類 具体例
    視覚症状 キラキラした光、ギザギザの線、視野欠損など。
    感覚症状 手足のしびれやチクチクする感覚。
    言語症状 一時的な話しにくさ。
    運動症状 一時的な筋力低下、片側の身体が動かしにくい。
    脳幹症状 めまい、平衡感覚の喪失、意識混濁。
    網膜症状 片側の視力低下または一時的な失明。
  3. 前兆症状が徐々に発展し、少なくとも1つが5分以上かかる

    前兆症状が徐々に発展し、各症状が少なくとも1つは5分以上、最大60分以内にかけて進行する

    ・前兆症状の全体的な持続時間が60分以内である

    ・前兆の発生から60分以内に頭痛が始まる場合が多いが、前兆のみで頭痛が現れないこともある

  4. 他の疾患による説明ができない

 

STEP6. 会計・次回予約などのご案内

現金もしくはクレジットカード(ご一括のみ)をご使用いただけます。

 

西山院長のご挨拶

はじめまして。
院長の西山 淳(にしやま じゅん)です。

これまで東海大学医学部付属病院で18年間、脳神経外科の診療に携わり、多くの患者さんの頭痛の診療に向き合ってきました。

片頭痛の治療は、「この薬しかない」というものではありません。

症状や生活スタイルに合わせて、一緒に治療を考えていくことが大切です。

ナルティークは、そのための選択肢のひとつです。

気になる症状がある方は、まずはご相談ください。

 

 

当院の片頭痛外来の特徴

片頭痛は、適切な治療と予防策を講じることでコントロールが可能です。

そのためには、頭痛専門医による正確な診断が必要です。

市販薬やとりあえずの対処療法だけで対応していると、薬物過多による頭痛や慢性片頭痛に移行してしまう可能性があります。

海老名・座間・綾瀬・厚木周辺など、当院近隣の場合はいつでもご相談ください。

  • 日本頭痛学会認定の頭痛専門医が診療を担当します。(月曜午後・水金午前・土曜日終日)

  • CT検査をクリニック内で当日実施できます。

  • MRI検査が必要な場合も、海老名駅前の系列院でスムーズに撮影が可能です。

 
9:00~13:00
14:00~18:00
※外来休診日:木日祝
※最終受付時間について
 –初診:診察終了1時間前まで
 –再診:診察終了30分前まで
 

よくあるご質問(FAQ)

Q1.ナルティークは誰でも使える片頭痛の薬ですか?

A. ナルティークは、片頭痛と診断された方に対して、症状の出方やこれまでの治療経過を確認したうえで、医師が適しているかを判断して使用するお薬です。

「新しい薬だから」「効きそうだから」という理由だけで自己判断で使う薬ではありません。

まずは診察を受け、治療の選択肢として適しているかを確認します。

Q2.まだ片頭痛と診断されたことがなくても相談できますか?

A. はい、可能です。

診察では、その頭痛が本当に片頭痛なのか、他の病気が隠れていないかを確認したうえで、治療の方向性を一緒に整理していきます。

「これって片頭痛かも?」「市販薬でごまかしているけどつらい」という段階でも、遠慮なくご相談ください。

Q3. トリプタンが効かなかった場合でも使えますか?

A. トリプタンで十分な効果が得られなかった方や、副作用が気になった方に対して、ナルティークが治療の選択肢として検討されることがあります。

ただし、すべての方に適するわけではありません。

症状や体の状態を確認したうえで、医師が使用の可否を判断します。

Q4.どのくらいで効果が分かりますか?

A. 使い方によって評価のタイミングが異なります。

  • 急性期治療として使用する場合
     → 発作時の症状の変化を見て判断します
  • 発症抑制(予防)として使用する場合
     → 開始から 約3か月 を目安に、
      発作の回数や生活への影響を評価します

効果の感じ方には個人差があるため、定期的に状況を確認しながら治療を調整します。

Q5.ナルティークを使えば片頭痛は治りますか?

A. ナルティークは、片頭痛を完全に治す薬ではありません。

発作のつらさを和らげたり、発作の回数を減らしたりすることを目的とした治療の選択肢のひとつです。

片頭痛の治療では、薬だけでなく、生活習慣や誘因への対策も含めて総合的に考えていくことが大切です。

 

 

あわせてチェック!

当院を初めて受診される方へ

▶︎ 外来診療に関するよくある質問

アクセス

▶︎ 症状別・疾患別の解説

 

【参考ページ(外部ページ)】

▶︎ ナルティークOD錠 公式製品情報(ファイザー)

▶︎ ファイザー公式プレスリリース(発売発表)

▶︎ KEGG DRUG — リメゲパント(ナルティークOD錠)

▶︎ Rimegepantの総説(PubMed Central)

▶︎ European Medicines Agency (EMA) — Vydura / Rimegepant

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