開院1年にあたってのご挨拶
神奈川県藤沢市に「あおいけあ」という介護事業所があります。
代表の加藤忠相さんは、施設都合の介護に疑問を抱き、25年前にこの施設を立ち上げました。
そこでは「地域とともに生きる介護」を実践しており、世界的に有名な認知症ケア技法「ユマニチュード」の提唱者からも高く評価されています。
施錠をしない開放的な施設には地域住民が気軽に出入りし、子どもたちが敷地内で遊び、お年寄りと一緒にお菓子を食べたり宿題をしたりする姿が日常です。
これが、私がクリニック名前の「ガーデン」に込めた私の思いの具体例です。
そこでは、入居者一人ひとりの経験や能力を尊重し、役割を持って生活することで「自分は必要とされている」という実感につながっています。
-その人らしく生きる。
これが「生きることの肯定」に繋がるわけです。
私の祖母も「あおいけあ」で最期を過ごし、11年前に93歳で息を引き取りました。
先日ラジオで加藤さんの話を久しぶりに聴き、当院の歩みと重ね合わせて皆さんにお伝えしたいと思いました。
ラジオで紹介された「あおいけあ」のエピソードに、こんなものがありました。経済的理由で別施設へ移られたおばあちゃんのお話です。
これまで元気にご飯を召し上がれていたその方は、転居先では食事をほとんど口にせず、2週間後に亡くなったそうです。
もちろん、病状の影響かもしれませんが、「ここで生きたい」という強い思いの表れ、おばあちゃんなりの抵抗だったのかもしれません。
私は、当院がその方にとっての「あおいけあ」のような存在になれることを目指しています。
それが私たちの価値であり、評価につながると信じています。
当院の診療指針は 「地域への奉仕」と「生きることの肯定」です。
主語は常に「患者さん」であり、それが当院の揺るがぬ骨格であり心です。
そして今、皆さんのお力添えで少しずつ形を作り上げている最中です。
そこで大切なのが、患者さん、ご家族、多職種を含むチーム医療における相互尊重と連携です。
患者さんと医師の関係だけでなく、ご家族やスタッフ同士が対等に尊重し合うことが、真の「血の通った診療」につながります。
トータルケアガーデン湘南海老名クリニックは、皆様のお陰で、2025年10月1日で開院2年目を迎えます。
お力添えをいただきました患者さん、ご家族様、多職種の皆様、この場を借りて御礼申し上げます。
当院は地域に愛されるようこれからも進化を重ねながら、温かく血の通った医療を皆様と一緒につくってまいります。
引き続き、お力添えの程、心よりお願い申し上げます。いつも感謝しております。
2025年9月30日
トータルケアガーデン湘南海老名クリニック
院長 西山 淳
