訪問診療
当院の診療指針
私たちは、患者さま一人ひとりの人生に寄り添い、安心と信頼のある医療を提供することを使命としています。
当院では、「攻めの医療」と「守りの医療」、2つの考え方を大切にしています。
「攻めの医療」とは、病気の初期(急性期)や治療の途中段階(亜急性期)において、積極的に治療やサポートを行うことを意味します。
特に、悪性脳腫瘍、神経の難病、脳卒中の後遺症、認知症など、対応が難しい病気に対しても、医師の専門性とチームの力を活かし、迅速かつ的確に対応できる体制を整えています。
一方、「守りの医療」は、慢性的な病気への対応や、生活の質(QOL)を守るための医療を指します。
日々の健康管理やご自宅での療養支援、終末期のケアまで、患者さまやご家族が安心して過ごせるよう、あたたかく丁寧に支えています。
この「攻め」と「守り」をバランスよく取り入れることで、どのような病状・どのような段階の方にも寄り添いながら、地域医療に貢献してまいります。
在宅医療(訪問診療)とは
在宅医療とは、医師や看護師が患者さまのご自宅や施設を訪問し、必要な医療サービスを提供する仕組みです。
ご高齢の方や慢性疾患のある方、入院や通院が難しい方にとって、住み慣れた場所で安心して医療を受けられるという大きなメリットがあります。
医療や看護だけでなく、リハビリテーションや日常生活のサポートも含まれており、患者さまのQOL(生活の質)を高めることを目的としています。
住み慣れた環境での診療は、患者さまご本人の心の負担を軽減するだけでなく、ご家族との時間を大切にしながら治療を進められることも特徴です。
また、通院の必要がなくなることで介護をされるご家族のご負担も軽くなり、患者さまとそのご家族、どちらにとっても安心して過ごせる環境づくりにつながります。
当院の訪問診療の特徴
当院では、脳神経疾患に豊富な経験を持つ医師(脳神経外科専門医、脳神経内科専門医、認知症専門医など)が訪問診療を担当しています。
特に、下記のような対応が難しい疾患にも専門性とチーム力を活かして、迅速かつ的確に対応できる体制を整えています。
- 悪性脳腫瘍
- 神経の難病(パーキンソン病・筋萎縮性側索硬化症など)
- 脳卒中後の後遺症
- 認知症全般
また、当院の医師の多くは大学病院でも診療経験を積んでおり、現在も診療を継続中です。
このため、ご自宅で療養中の患者さまが入院や集中的な治療を必要とする場合には、大学病院などへのスムーズな連携・移行が可能です。
さらに、定期的な訪問診療に加えて、24時間体制で専用ダイヤルによる電話対応も行っています。
(ご契約時に専用の電話番号をご案内いたします。)
夜間や休日の急な体調変化にも対応できるため、ご自宅でも安心して療養を続けていただけます。
また、CTやMRI検査など精密な画像検査が必要な場合には、当院の外来診療や法人内連携を行っているえびな脳神経クリニックでの診察もご案内しております。
当院の訪問診療の対象となる方
通院が困難な方
例えば…
- 脳腫瘍や脳卒中後などにより外来通院が難しくなってきた方
- 認知症の進行によりお付き添いがあっても通院が大変になってきた方
- 介護をしながら医療サポートを探しているご家族
- 自宅で最期まで過ごしたいと希望されている方
- 脳の病気や障害などにより歩行が困難、寝たきりなど病院への通院が困難な方
- パーキンソン病・筋萎縮性側索硬化症(ALS)等の神経難病を患い、おひとりでの外出が難しい方
- 胃ろうなどを装着していて移動が困難な方
- 退院後の療養を自宅で行いたい方
- 基幹病院での悪性脳腫瘍に対する抗がん剤治療をはじめとする集学的治療を継続するための支持療法(基幹病院外来再診までの間の細かいメンテナンスや骨髄抑制時のG-CSF製剤投与、てんかん発作時の対応、在宅電場療法の管理)などを希望されている方
ご相談やご質問も承っておりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
診療対応可能エリア
海老名市、座間市、綾瀬市、厚木市、大和市、寒川町、藤沢市一部
〈順次拡大予定〉
当院より半径16km圏内、車で30~45分程度以内を想定しております。
その他の範囲でも対応可能な場合もありますので、訪問可能かどうか、まずはお問い合わせください。
院長 西山 淳のご挨拶
はじめまして。
院長の西山 淳(にしやま じゅん)です。
私は18年間、東海大学医学部付属病院大学病院で長く脳の病気を専門に診療してきました。
特に、がんの一種である悪性脳腫瘍の手術や、さまざまな職種が力を合わせて治療にあたる「チーム医療」に取り組んできました。
その経験を生かし、今は地域でも訪問診療を行っています。
「話しかけやすい主治医」であることを大切に、患者さまとご家族にとって安心できる存在でありたいと思っています。
在宅医療では、病気だけでなく、その人らしい暮らし方やご家族の気持ちまでを見つめる医療が必要になります。
だからこそ、訪問診療には“人と人”の信頼関係が欠かせません。
当院では、病気の進行や生活の変化にも合わせて、地域で切れ目のない支援ができるよう、チームで取り組んでいます。
「通院が大変になってきた」
「自宅で医師に診てもらえたら…」
そう感じたら、まずはご相談ください。
ご自宅でも安心して医療を受けられるよう、私たちが全力でサポートいたします。
▶︎ 医師紹介はこちらから
ご利用までの流れ
① まずはお気軽にクリニックまでご連絡ください
担当ケアマネジャーさまとご相談の上でご連絡いただきますと、必要な情報の整理や他サービスとの連携がスムーズに進み、ご本人さま・ご家族さまのご負担も軽減されます。
また、他院に通院・入院中の方も受け入れ可能です。
その場合は、診療情報提供書(紹介状)のご用意をお願いしておりますので、主治医や病院の地域連携室にご相談ください。
ご不明点やご相談があれば、どなたからでもお気軽にお問い合わせください。
当院へご依頼いただく際のお願い
以下の「患者様ご紹介シート」をダウンロードしご記入の上FAXにてご連絡ください。
(時間外・休日も受付可能です)
FAX:046-244-6072
お急ぎの方や直接ご相談したい内容がある方、FAXがご自宅からご利用できない場合は、お気軽にお電話またはお問い合わせフォー厶からご連絡ください。
② 院内カンファレンス(対応可否の検討)を行います
ご連絡・ご紹介いただいた内容をもとに、当院の医師・看護師・事務スタッフ等で院内カンファレンスを行い、訪問診療の対応可否について検討いたします。
※他院で診療中の場合には、診療情報提供書のご共有をお願いしております。
患者様のご状態や現在の治療内容を正確に把握することで、より適切な対応が可能となりますので、紹介元医療機関にご依頼ください。
③ 体調や状況の確認・訪問診療の説明を行います
当院の訪問診療に関する詳しいご説明とお手続きをご案内いたします。
- 診療方針
- 自宅での過ごし方
- 費用
- 緊急時の連絡方法
確認いただいた内容に問題がなければ、
- 契約書等の必要書類にサイン
- 訪問診療開始時期を調整
また、在宅医療への不安や今後の治療の方向性およびどのように有意義に生活をしていきたいかについての情報共有(人生会議:Advanced Care Planning)等ありましたらご遠慮なくご相談ください。
治療方針はその時の状況や経過によりお気持ちも考えも変化するものですので、いつでも変更は可能です。
そのための人生会議ですので、一緒に何度も相談しながら、その人らしい「生き方」を尊重できる方針を考えて参りましょう。
④ 訪問診療が始まります
基本的には月1~2回の頻度で定期的に訪問診療にうかがいます。
※初回の訪問診療時には健康保険証や医療証、介護保険証などを確認させていただきますのでご用意ください。
お薬の受け取り方法
訪問診療で医師が処方したお薬の受け取り方法は、主に以下の2つからお選びいただけます。
1. ご家族などが薬局に受け取りに行く(来局)
処方箋を持って、かかりつけの調剤薬局にご家族などが行き、お薬を受け取る方法です。お薬代は通常の外来と同じく、保険が適用されます。
2. 薬剤師がご自宅にお薬を届ける(訪問調剤)
薬剤師がご自宅を訪問し、お薬の説明・服薬管理・残薬の確認なども行うサービスです。
※訪問調剤は医師の指示のもと実施され、在宅患者訪問薬剤管理指導として健康保険が適用されます。
どちらの方法を選ぶかは、患者様のご希望やご家族の状況に応じてご相談いただけます。
訪問調剤をご希望の場合は、当クリニックから調剤薬局へ連携を取りますので、ご安心ください。
訪問診療でできること
外来診療と同様に、お薬の処方はもちろん、訪問診療でも以下のようなさまざまな処置・管理・検査に対応しています。
CTやMRIなどの画像検査が必要な場合などは、クリニックにて検査を行います。
💉 処置・管理
- 点滴・注射
- 血圧や体温の測定
- 経鼻経管栄養、胃瘻からの栄養管理
- 痰の吸引
- 褥瘡(床ずれ)治療
- 酸素療法・人工呼吸器の手配および管理
🩺 検査
- 血液検査
- 尿検査
- 細菌検査
- 新型コロナウイルス・インフルエンザの抗原検査
診療処置内容の例
- 麻薬を用いた疼痛緩和ケア
- 胃瘻/経鼻経管栄養の管理
- 在宅中心静脈栄養の管理
- パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)などの指定難病神経疾患
- 在宅酸素療法/在宅人工呼吸器の管理
- 気管切開カニューレの交換・管理
- 膀胱留置カテーテルの交換・管理
対応疾患や診療処置内容など、ご不明点ございましたらご遠慮なくご相談ください。
費用の目安
患者さまのご病状や在宅/施設の違いなど、個別のご状況によって金額が変動いたしますので、以下はおおよその月額費用としてご参照ください。
Aさん(ご自宅での診療、診療患者1人、月1回訪問の場合)
負担割合 | 1割 | 2割 | 3割 |
金額(月額) | 約3,500円~ | 約6,500円~ | 約10,500円~ |
Bさん(ご自宅での診療、診療患者1人、月2回訪問の場合)
負担割合 | 1割 | 2割 | 3割 |
金額(月額) | 約6,000円~ | 約12,000円~ | 約18,000円~ |
Excel上で金額のシミュレーションを行うことができます。
お電話でもご遠慮なくご相談ください。
お支払い方法について
患者さまのご指定の銀行口座から1ヶ月分の医療費をまとめて翌月に口座振替にて引き落としさせていただきます。
翌月引き落とし日までに前月の請求書を郵送しています。
訪問診療日に、お支払いいただく必要はございません。
請求書が届きましたら、ご指定口座から振替できますようにご準備をお願いいたします。
当院では当月分の診療明細書、当月引き落とし予定分の請求書とご一緒に、前月分引き落とし完了分の領収書を郵送させていただいております。
また、前月の領収書は翌月の請求書と同封しておりますので、ご理解のほどよろしくお願いいたします。
初回口座引落の日程
契約書類をお預かり後、書類の不備等がなければ毎月27日(土日祝日の場合は、翌営業日)がお引き落とし日となります。
お手続き上、2~3ヵ月まとめてのお引き落としになる場合がございますのでご了承ください。
その際、請求書に関しましてもその月にお支払いいただく金額分(2~3ヵ月分)まとめてのお渡しになります。
領収書に関しましては引落が完了次第のお渡しとなります。
スケジュール・郵送書類の一例
日付 | 診療・手続き状況等 | 郵送物 |
4/4 | 事前問診、契約書類・口座振込用紙のお渡し | — |
4/10 | 初回訪問、ご記入済み契約書類・口座振込用紙の回収 | — |
4/20 | 口座登録手続き完了 | — |
5/10 | 訪問診療2回目 | — |
5/20 | 書類発送 | 4月分診療明細書、4月分請求書 |
5/27 | 初回口座引き落とし | — |
6/10 | 訪問診療3回目 | — |
6/20 | 書類発送 | 5月分診療明細書、5月分請求書、4月分領収書 |
6/27 | 口座引き落とし | — |
よくあるご質問(FAQ)
Q1. 初めて訪問診療をお願いするには、どうすればいいですか?
A. ご本人・ご家族・ケアマネジャーさまなど、どなたからでもまずはお気軽にクリニックまでご連絡ください。
担当ケアマネジャーさまにご相談いただくと、必要書類の準備や他サービスとの連携がスムーズです。
▶ 詳しくはご利用までの流れをご覧ください。
Q2. 他の病院に通院しているのですが、訪問診療を受けられますか?
A. はい、対応可能です。
その場合は、まずはケアマネジャーさまにご相談いただくとお手続きがスムーズです。
現在の主治医へ「診療情報提供書(紹介状)」の作成をご依頼ください。
Q3. 今使っている訪問看護や訪問リハビリはそのまま使えますか?
A. はい、継続利用いただけるケースがほとんどです。
訪問診療と訪問看護・訪問リハビリは連携しながら利用できますので、ご安心ください。
Q4. 難病の医療受給者証を使うことはできますか?
A. はい、当院では難病医療費助成制度を利用した診療にも対応しています。
該当する病気や医療証をお持ちの方は、事前にご相談ください。
Q5. 急な体調変化があった場合はどうすればいいですか?
A. 訪問診療ご契約中の方には、24時間対応の専用ダイヤルをご案内しております。
夜間・休日の急変にもできる限り対応いたしますので、ご安心ください。
Q6. 費用はどれくらいかかりますか?
A. ご本人のご病状や訪問回数、保険負担割合によって異なります。
目安は月額3,500円〜18,000円程度です。
詳しくは費用の目安をご参照ください。
▶ お電話でもお気軽にご相談ください。
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